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77 fulham rd, London

1984年にロンドンで誕生した「ジョゼフ」は、現在、英国はもとより、フランスやニューヨーク、日本などさまざまな国で幅広い世代の人々に支持されているファッションブランドである。ただ、このグローバルブランドのルーツが、ロンドンのヘアサロンの地下に開かれたセレクトショップにあったことは意外と知られていない。ジョゼフのメンズブランドである「ジョゼフ オム」の魅力を深く知るために、まずはその歴史を紐解こう。

1970's

1970年代のロンドン、当時この街でもっともファッショナブルな通りといわれたキングス・ロードに、華やかな装いの男女が出入りするセレクトショップがあった。
店のオーナーはモロッコ・カサブランカ生まれのジョゼフ・エテッドギー。
‘50年代に美容を学ぶためにロンドンにやってきた彼はこの通りに「サロン33」という名のヘアサロンを開設。多くのセレブリティが通う人気店となった。

ジョゼフ・エテッドギーが使っていた手帳。写真は「サロン33」
白と黒のボーダーパターンはブランド当初から使用されているアイコン

その感性は美容の枠を超え、ファッションにも及んだ。

『ジョゼフの選んだ服が欲しい』という顧客の声に応えるべく、‘70年代初頭にサロンの地下にショップをオープンした。店内に並ぶのは、当時の最先端モードのデザイナーや名だたるラグジュアリーブランドのアイテム。
彼が選んださまざまなブランドの服を揃えるこの店は、今日のセレクトショップのルーツといえる存在であり、才能に溢れる多くのデザイナーたちを発掘する功績を残した。

やがてジョゼフはロンドンに13店舗、パリに7店舗、ニューヨークに3店舗を構える世界でももっとも有名なショップのひとつとなった。

ロンドンの77フルハムロードにあるレディスの旗艦店

ファッションブランドとして広く知られるようになったきっかけは、店で扱うモードやラグジュアリーブランドの着こなしに合わせるためのウェアをジョゼフ・エテッドギー自身が作り始めたことから。

コンセプトは「Slick&Chic(スリック&シック)」。
Slick」とは「手際のよいさま」「垢抜けているさま」といった意味を持つ英語であり、「Chic」は「上品で洗練されたさま」という意味を持つフランス語。

英語とフランス語が組み合わされたこのコンセプトは、デザインにロンドンの普遍的なテイストとパリのモダンな感性がミックスされていることも表している。

ジョゼフがプロデュースする「ジョーズ・カフェ」は多くの著名人が来店した歴史を持つ

1980's - 2000's

‘84年に初のコレクションが発表されると、ファッションシーンに旋風を巻き起こした。ブリティッシュファッションアワードの「ニットウェア デザイナー オブ ザ イヤー」(‘90~‘94年)の受賞をはじめ、「ブリティッシュ・クラシックス賞」(‘00年)を受賞した。‘94年にはロンドンのスローン・ストリートにフラッグシップショップを構えた。

建築やインテリアにも精通し、オリジナル家具も手がけた
高田賢三氏とも親交があり、店頭にはケンゾーのニットウェアが並んでいた

そんなジョゼフの名を世界に知らしめたアイテムが、ブランドの代名詞というべきパンツである。『一本のパンツがスタイリングを決定する』というデザイナー自身の信念のもと生み出されたパンツの特徴は、テーラーリング技術が駆使されたシルエットバランス。脚のラインをスリムに、かつ長く演出するパンツは、‘00~‘10年代に巻き起こった美脚シルエットブームのさきがけとなった。

ジョゼフの店にはデザイナーたちが集まり、クリエイターたちの社交場でもあった。
ジョゼフはライフスタイルを提案するセレクトショップのはしり。
フレグランスもプロデュースした

ジョゼフはファッション史に多大な功績を残したデザイナー、ジョゼフ・エテッドギーの美学とファッションへの情熱が注ぎ込まれたブランドである。そして「ジョゼフ オム」は、その正統なDNAを継承するメンズブランド。エッジィにしてシンプル、かつ片肘張らずに着られる都会的なウェアは、男の装いのみならず、ライフスタイルそのものを上質に彩る。

2016年にサヴィル・ロウにオープンしたメンズのフラッグシップショップ

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